「行く河のながれは絶えずして,しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは,かつ消えかつ結びて,久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと,またかくのごとし」
教科書にも載っているので,だれもが聞き覚えのある「方丈記」。鴨長明は,大災害の時代を生き抜いた末に,諸行無常という仏教の境地に達している。
COVID-19を通して,わが国にもリモートワークが定着した。それは,方丈(約3m×3m)の小さな部屋で働くこと,すなわち「方丈労働」を意味しているかもしれない。家族のだれかが感染しても,自宅で隔離することなどムリな住宅事情のなかで,狭いながらもなんとか見つけた落ち着ける小部屋で,気ままに働くのが現代の「方丈労働」なのだ。
リモートワークという名の「方丈労働」を,なんとか世のため,人のため,自分のために役立てるにはどうしたらよいのか? 総勢20名の研究者の力を結集して、そんな思いを本にまとめました。
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